空閑俊憲の日記

PurpleTaraPress © Toshinori Kuga,2008-2024

日記

暗い日

暗い日が始まる雨が降る眼鏡が曇るバスの窓も曇る電車の乗客が霧の中にいる 2024年3月26日

紅葉の枝に無数の雫がぶら下がっている。 ひとつひとつの雫は水晶のように周囲の風景を取り込んでいる。

テンダーボタン

ニューヨークでいちばん気になった店、ガートルード・スタインの書物のタイトルにもなっている“TenderButtons" 。ニューヨークのレキシントン・アヴェニュー62丁目を東にちょっと曲がったところにある小さなボタン専門店。ぼくらが置き忘れているいるたい…

ぼくは元気です

世の中には金が芸術上創造の燃焼力だと言う馬鹿どもがいる。糞食らえ!

日本、東北が呼んでいる。

30年間のニューヨーク生活を後にして、私はいま日本にいる。人の心の内がよく見える。私は孤独だが、雪と氷でできたこの服をもっと着込もう。もしかすると、人に生きる歓びを指差すことができるかもしれないから。

Library of Tama Art University

I recently visited the library of Tama Art University for the first time. Because there is Shuzo Takiguchi Archives and they keep the most of books Takiguchi collected. I called the librarian, Mr. Onzo and Mr. Yamada and they showed me to …

Practice on the bank of Tama River

It was cloudy and cool summer today. Watching the fast flow, I practiced Acho Sotop. I will be able to play the fast part of song confidently. Aug. 22, 2011岡本かのこ歌碑多摩川の 清く冷たく やはらかき 水のこころを 誰に語らむ Poem by Kanoko…

ジェイムズ・ナックトウェイはやはり来ていた

世界でなにか大悲劇が起こるとジミーはすぐ飛んで行く。命がいくらあっても足らないなあとかれの友人たちの誰もが思っているが、報道写真家とはそんなものなのだろう。ヒマラヤの登山家も同じような宿命を抱えて生きている。ジミーはやはり被災後すぐに日本…

クリスマス

(ウエスト80丁目、自然博物館のそばで) 歩道で新鮮なクリスマスツリーが売られている。青い樅の薫りが匂う。ニューヨークの街は日本の正月に似た空気が漂う。私がいちばん異邦人になる季節でもある。街行く人々はかれらの故郷、親兄弟を思い浮かべて急ぎ…

大聖堂にて

大聖堂から鐘が鳴り響く。思わずカメラを向けて撮影するが、写真では音響をとらえることはできない。 教会の敷地に眩しい陽射しがこぼれる。ディテールは記憶にどれだけ鮮明にとどまるだろうか。 天使よ、私にきみの翼を貸してくれ。老いていく人が外国の見知…

絵付け

ニューヨークに来てから約80点を越える絵付けをやり遂げましたが、仕上がったのを眺めると、あまり満足できません。[]

金の兎

ニューヨーク時間朝の5時半。 東の空に金の兎が浮かんでいる。 大きな剣を持って歩いてくる。 ふたつの耳が立っている。 なにか吉兆を私に知らせている。

ニューヨークの憂愁

ニューヨークの憂愁のなかでも嬉しい出会いはある。 出会った人やその場所や時間はまちまちだが、写真の下にその人の言葉を紹介しましょう。 春香/私の娘 “Dad, I'm going to work. See you later” ジョン・ダウン/チョコレイト工場主 「誰かがこのショッ…

夢の時間はつづく

11月11日午後3時過ぎに成田を発ち、ニューヨーク時間同日の午後1時過ぎにJFKに到着。実際には10数時間費やしたのに地球時間の決まりではマイナス数時間の速さでニューヨークに着いたことになる。時の景品をいただいてなんだか得をしたような気にもな…

やっと夏が終わり、もう秋

今日は友人に頼んで山中湖へ連れて行ってもらった。曇り日だったが、雨は降らず、それなりに味わいのある日本の素顔を眺めることができた。長いトンネルを抜けて湖畔をぐるり一周すると、気温はぐんと下がって10℃になっていた。平日で季節はずれのリゾート…

不在を見つめる

私の不在を見つめた。先日彫刻家の宮脇愛子さんを訪ねて多摩プラザへ行った帰り、誰もいない公園で休息した。昼過ぎの強い陽射しを避けて、この写真では見えないが、私は手前の日陰のベンチに座っていた。いつか私がこの世にはいない日、誰かが私の座ってい…

銀座四丁目

ここは銀座四丁目交差点。三愛ビル二階からの眺め。昔私が東京に住んでいた頃は洋書イエナがあり、そこの番頭さんを詩人・瀧口修造から紹介されて私が編集発行した<KAZUO OKAZAKI /SELECTED WORKS 1962-1976>を店に置いていただいたことがある。今は若い人…

『ほたる』

先週の金曜日、生田緑地へ蛍を眺めに行きました。蛍といえば、九州での子供の頃を思い出します。浴衣を着て、幼友達と蛍狩りに出かけたものです。捕らえた蛍を蚊帳のなかに一晩放ち、翌日外に返してあげる。蚊帳のなかでは祖母が眠っていた。 これも私の30…

『大ガラスに見入る瀧口修造』空閑俊憲

今日慶応大学の瀧口修造アーカイヴに招かれて、雨のなかを道に迷いながら、二度めの訪問なのに夢現の思いで三田を歩きました。私の30年間の日本不在は、私を浦島太郎に変えてしまった。日本人の顔が皆同じ顔に見え、私は地上から20センチ浮上して歩いて…

Tashi Kunga plays "Thoe Peh Lu-Yang" for Jetsun Pema la at Koganei Park in Tokyo, April 4th, 2010 

2010年4月4日(日) お花見の小金井公園へジェツン・ペマ女史(ダライ・ラマ法王の実妹)とご主人のテンパ・ツェリン氏を非公式にお迎えした席で、タシクンガが何曲か演奏しました。そのひとつ『ダライ・ラマ讃歌』は法王の師、ツリチェン・リンポウチ…

ジェツン・ペマ女史歓迎会

* * * ジェツン・ペマ女史講話『幸せになる』 2010年4月3日(土)聖心女子大学、東京。ジェツン・ペマ女史とテンパ・ツェリン氏をお迎えするお花見。 2010年4月4日(日)小金井公園、東京。ジェツン・ペマ女史講話会 2010年4月7日(水)沖…

『うなぎ』

筑後川上流の脇に構えた料理屋『うなぎ』は熊本県小国にある。数百年を経た古い民家造りの店の暖簾をくぐると、奥の座敷まで長く続いた三和土の広い土間へ入る。ほとんど灯りのないこの空間で、客は伝統的日本家屋が古来より育んできた闇に抱かれる。闇と明…

三つの夢のつなぎ目/空閑俊憲

私が2010年2月2日、7日、9日に立て続けに迎えた三つの夢の構造は三個のガラスの破片に譬えることができよう。三個の破片はひとつの窓、つまり私の生活の全体像を再現しようとする。しかし、各破片はさらに幾つもの砕片で構成されており、そのひとつ…

久しぶりに眺めた日本/1995年のノートより

[] 四月十六日。三年半ぶりに帰国。四週間の滞在で僕が見たもの、感じたこと。まず最初の一、二週間は奇妙な不安に襲われた。どこもかしこも圧倒的に日本人らしい東洋人がひしめきあっていて、圧倒的に日本語らしい言葉が聞こえてきたからである。おまけに時…

 『チベットの贈りもの』

今日のNASAのリンクには美しい宇宙の動画があげられていた。 はじめにヒマラヤが現れ、チベットの名が続き、惑星・地球となり、太陽系となり、いや、話よりも動画をご覧ください。 私はこの映像を見ていて、ふと、私の姉、末永通子の『チベットの贈りもの』…