空閑俊憲の日記

PurpleTaraPress © Toshinori Kuga,2008-2024

数年前にも同じ独り言を呟いた

譬え話をする暇もない
映画を見る暇もない
音楽を聴く暇もない
花を眺める暇もない
本を読む暇もない
手紙を書く暇もない
恋人を抱く暇もない
髪をとく暇もない
散歩する暇もない
話をする暇もない
食事をする暇もない
靴紐を結ぶ暇もない
と言って
何もしないで
じっとしている暇もない
そんな
人たちのなかに
パレスチナ人たちがいる
パレスチナの子たちは
いつ砲弾が飛んで来るか
はらはらしながら
空を見上げているが
月や星を眺める暇はない
飲む水もなく
食べる物もなく
住む家もなく
失った手足を
帰って来ない兄弟や親を
心配している
誰か神様のような人が
早く助けに来てほしいと
祈っている

そのひとつでもよい
私はそんな暇を与えたい