空閑俊憲の日記

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Tashi Kunga plays "Thoe Peh Lu-Yang" for Jetsun Pema la at Koganei Park in Tokyo, April 4th, 2010 

2010年4月4日(日)
 お花見の小金井公園へジェツン・ペマ女史(ダライ・ラマ法王の実妹)とご主人のテンパ・ツェリン氏を非公式にお迎えした席で、タシクンガが何曲か演奏しました。そのひとつ『ダライ・ラマ讃歌』は法王の師、ツリチェン・リンポウチェ(Trichen Rinpoche)が書かれた言葉を歌っています。今ではチベット人歌手でさえ歌うのが難かしい古文に近い詩ですが、私(タシクンガ)は師匠、サンポ・リンポウチェ(Sampho Rinpoche)から学びました。サンポといえばチベットの名門、かれの父はインド独立のとき、法王の命を受け法王代理人としてインドへ派遣されました。またかれの姉は旧シキム国王に嫁いだ方です。すばらしい業績を残したタリン夫人("Daughter of Tibet"の著者)もサンポ家の親戚にあたります。
 動画の初めに私がCD(パッサン・ドルマ/Pasang Dolmaと共演した長野ライブ2006)をペマ女史へお贈りしたところ、「おお、パッサン!」と親しげに呼ばれている場面が印象的です。公園での幸せな集い、ピースサインを送る子供、喜びのあまり踊り始めた在日チベット人たち、屋内ステージとはちがった野外に響く声を味わうことができます。

 ところで、それから10日後、チベット東部(カム)のジェクド近くで、大地震が起こり、大勢の犠牲者が出ています。もし中国政府が外国からの救援隊を受け入れていれば、一人でも多くの人の命を救うことができるでしょうが、事実はそうではありません。犠牲者たちの多くは中国当局から強制移住を命じられてその場所にいたチベット人たちであるだけに、悲しみはいっそう大きい。世界の眼がチベットに向けられているなかで、中国の人道に恥じない正しい政治が明日から始まることを望みます。被災地で亡くなられた方々のご冥福を祈ります。