空閑俊憲の日記

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岡崎和郎「もうひとつのヒロシマドーム」構想

岡崎和郎「もうひとつのヒロシマドーム」構想 空閑俊憲 戦争を知らない人は多い。私もそのひとりだが、岡崎和郎は1945年8月6日遠く広島上空が不気味な光に覆われたのを目撃している。その二ヶ月程前かれのいた岡山でも激しい空爆があり、市内は焼け野…

This Okazaki's work which is exhibited at his one man show is called as "Fujimi Jougi". The word "Fujimi" literally means "Viewing Mt. Fuji" and "Jougi" means "Ruler", in this case "Triangle". Fuji-mi refers to hana-mi (flower viewing, usu…

ジェイムズ・ナックトウェイはやはり来ていた

世界でなにか大悲劇が起こるとジミーはすぐ飛んで行く。命がいくらあっても足らないなあとかれの友人たちの誰もが思っているが、報道写真家とはそんなものなのだろう。ヒマラヤの登山家も同じような宿命を抱えて生きている。ジミーはやはり被災後すぐに日本…

東北関東大震災への見舞いと祈り/Letter from Pasang Dolma

Hi dear Mr Tashi Kunga la, Tashi Delek. How are you? Is everything fine? I hope you are fine, because I saw in news about heavy tsunami that many destroyed and damaged homes, places, highway and factories in Japan, Its really unbelievable …

完璧の朝

この朝を眺めているのです。太陽はどこにも見えないのですが、眩しい白い空と灰色の海が広がっています。鳥の鳴き声さえ、波音さえ聴こえない海岸に、私は椅子に腰かけています。静かに打ち寄せる波が、私の記憶を砂浜の足跡のように掻き消してしまいます。…

作曲:武満徹 ピアノ:高橋アキ

この曲は詩人・瀧口修造の『遮られない休息』という美しい詩に触発されて生まれた。 高橋アキの澄み切った鏡面を打つような見事な演奏。 http://members.jcom.home.ne.jp/akitakahashi/

クリスマス・スピリッツ

私の娘がまだ小さかった頃、私は紙で作った天使や妖精を彼女に贈りました。以前発表したことのある動画ですが、私の手製のクリスマス小劇場です。

クリスマス

(ウエスト80丁目、自然博物館のそばで) 歩道で新鮮なクリスマスツリーが売られている。青い樅の薫りが匂う。ニューヨークの街は日本の正月に似た空気が漂う。私がいちばん異邦人になる季節でもある。街行く人々はかれらの故郷、親兄弟を思い浮かべて急ぎ…

大聖堂にて

大聖堂から鐘が鳴り響く。思わずカメラを向けて撮影するが、写真では音響をとらえることはできない。 教会の敷地に眩しい陽射しがこぼれる。ディテールは記憶にどれだけ鮮明にとどまるだろうか。 天使よ、私にきみの翼を貸してくれ。老いていく人が外国の見知…

絵付け

ニューヨークに来てから約80点を越える絵付けをやり遂げましたが、仕上がったのを眺めると、あまり満足できません。[]

金の兎

ニューヨーク時間朝の5時半。 東の空に金の兎が浮かんでいる。 大きな剣を持って歩いてくる。 ふたつの耳が立っている。 なにか吉兆を私に知らせている。

ニューヨークの憂愁

ニューヨークの憂愁のなかでも嬉しい出会いはある。 出会った人やその場所や時間はまちまちだが、写真の下にその人の言葉を紹介しましょう。 春香/私の娘 “Dad, I'm going to work. See you later” ジョン・ダウン/チョコレイト工場主 「誰かがこのショッ…

カレンダーガール

ニール・セダカの<カレンダーガール>アルバムが出たのは1961年。この年は私もひとつだけ覚えている。私は福岡で両親と暮らしていた。溶鉱炉設計技師の父はどちらかと言えば無口な人だったが、たまに世間で話題になっていた面白いことを私に話してくれ…

蒼い卵

宇宙飛行士、トレイシーが国際スペース・ステイションの窓から故郷地球を眺めている。彼女の姿に私は明日の理想的な地球人の姿を重ねあわしたい。 こんな声が聴こえませんか。 もうやめようじゃないか この蒼い卵のなかで 戦争や虐待で富を得ることなんか こ…

夢の時間はつづく

11月11日午後3時過ぎに成田を発ち、ニューヨーク時間同日の午後1時過ぎにJFKに到着。実際には10数時間費やしたのに地球時間の決まりではマイナス数時間の速さでニューヨークに着いたことになる。時の景品をいただいてなんだか得をしたような気にもな…

やっと夏が終わり、もう秋

今日は友人に頼んで山中湖へ連れて行ってもらった。曇り日だったが、雨は降らず、それなりに味わいのある日本の素顔を眺めることができた。長いトンネルを抜けて湖畔をぐるり一周すると、気温はぐんと下がって10℃になっていた。平日で季節はずれのリゾート…

2010

Tashi Kunga was offered his Tibetan musician's name by His Holiness of The Dalai Lama in 2008 after his play "Jolak Tashi" in front of His Holiness in Fukuoka, Japan. http://www.youtube.com/watch?v=p2qfnH0GWIM He has organized a string of …

透明へ消えいくものたち

ある無名の人物の物語がその人の死を境に永久に葬られてしまう。およそ私たちの人生で起きた事件や事実の多くはそのように取り扱われてしまうものだ。遺された家族や知人が亡くなった親しい人の思い出をときどき口に出しているが、やがて、その話も小さな小…

<チベットの空から、いま>東京公演

<チベットの空から、いま> タシ・クンガとテンジン・クンサン ゲスト出演:川辺ゆか、Reelha 2010年10月8日(金) 受付開始 18:00 開場 18:40 開演 19:00 東京ウィメンズプラザ 渋谷区神宮前5−53−67 (JR山手線・東急東横線・…

なにか気になる<チベットの空から、いま>

(国東半島の山道で) 2010年チベット音楽演奏旅行は天女、パッサン・ドルマの不在とともに落胆と不安を伴いながら始まった。最後まで彼女の来日を望み、協力してくださったチベット教育サポート基金の助安博之氏、全国のコンサート協力者とパッサン・ド…

岡崎和郎展<補遺の庭>

岡崎和郎展<補遺の庭>鎌倉の神奈川県立近代美術館ではいま岡崎和郎の先鋭な作品群が展示されている。半世紀以上こつこつと彼自身のやり方でオブジェを作りつづけてきた作者の<補遺の庭>を展望すると、私たちを取り巻いている三次元空間、さらに地球を取…

<チベットの空から、いま>2010年9月15日ー10月30日、チベット音楽日本ツアー パッサン・ドルマを迎えての待望のコンサートについて、緊急にお話しなければなりません。実は彼女は現在ニューヨークに在住ですが、アメリカの郵便事情のため先月に…

チベットの空から、いま/東京公演10月8日(金)

いよいよパッサン・ドルマさんとの東京公演の場所、日程が決まりました。パッサン・ドルマを知らずしてチベット音楽を語ることはできません。幅広い層に愛されているこのシンガーソングライターは若い世代のミュージシャンたち、たとえばペムシにも大きな影…

響ホール、北九州市 2010年9月28日(火)

] [ 9/28 開場:18:30 開演:19:00響ホール http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/kicpac/hibiki/ 北九州市八幡東区平野1−1−1 国際村交流センター内 入場料金(全席自由) 前売券:2000円 当日券:2500円 お問い合わ…

公開講演<チベット音楽>タシクンガ

2010年9月3日(金)14:20〜16:30 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(304室) http://www.aa.tufs.ac.jp/ Tibetan MusicTo listen to Tibetan music through the lyrics is to understand the Tibetan way of life. We can l…

不在を見つめる

私の不在を見つめた。先日彫刻家の宮脇愛子さんを訪ねて多摩プラザへ行った帰り、誰もいない公園で休息した。昼過ぎの強い陽射しを避けて、この写真では見えないが、私は手前の日陰のベンチに座っていた。いつか私がこの世にはいない日、誰かが私の座ってい…

レース編み

「レースを編む女」フェルメール作、17世紀。 レース編みは曼荼羅のようにみえる。そうだとしたら、図案の原型を作り出す人は心の図を描いていたのだろう。しかし私にとって、心のなかはあんなに整然としているようには思えない。私の心はむしろその作業に…

Billy Joel: Uptown Girl

http://www.youtube.com/watch?v=KAJD0n_TnX8私がイースト・ヴィレッジのロフトに住んでいた頃の話である。夕方遅くどこからかポップソングが流れてくるので窓に近づいてみると、南のワンブロック離れたふだんは薄汚いガソリンスタンドが明るい照明とネオン…

その日はもう始まっている

ここは他の惑星ではない。霧の漂う海の真上に天の川がみえる。岩の多いオーストラリアのシャンク岬の波打際を歩けば、きっと石の顔が歯ぎしりして呟くだろう。われわれはいつ戦争をやめるのか。この地球の軌道を愛へ向けて、ひとりひとりの顔が大きく眼を開…

銀座四丁目

ここは銀座四丁目交差点。三愛ビル二階からの眺め。昔私が東京に住んでいた頃は洋書イエナがあり、そこの番頭さんを詩人・瀧口修造から紹介されて私が編集発行した<KAZUO OKAZAKI /SELECTED WORKS 1962-1976>を店に置いていただいたことがある。今は若い人…