空閑俊憲の日記

PurpleTaraPress © Toshinori Kuga,2008-2024

新しい詩

新しい詩はどのようにして始まるだろう

世界から孤絶されて

まわりの人が私の言語を理解できず

ジェスチャーがかろうじて通じることもあり

いっしょに食事することもあり

笑うこともあっても

寒い季節に生まれる

長髪の先から

火花が散る

青白くなくても

午前4時20分頃でなくても

時間を超えて言葉が

やって来るだろう

私の言葉とわかるのは私の心を

水のように満たすからだ


(2024年3月6日)

 

 

数年前にも同じ独り言を呟いた

譬え話をする暇もない
映画を見る暇もない
音楽を聴く暇もない
花を眺める暇もない
本を読む暇もない
手紙を書く暇もない
恋人を抱く暇もない
髪をとく暇もない
散歩する暇もない
話をする暇もない
食事をする暇もない
靴紐を結ぶ暇もない
と言って
何もしないで
じっとしている暇もない
そんな
人たちのなかに
パレスチナ人たちがいる
パレスチナの子たちは
いつ砲弾が飛んで来るか
はらはらしながら
空を見上げているが
月や星を眺める暇はない
飲む水もなく
食べる物もなく
住む家もなく
失った手足を
帰って来ない兄弟や親を
心配している
誰か神様のような人が
早く助けに来てほしいと
祈っている

そのひとつでもよい
私はそんな暇を与えたい

宮脇愛子新作展

宮脇愛子
80代半ばの貴重な時間を新作ドローウィングに捧げる
新作展
2013年12月4日(水)ー 12月14日(土)12:00−19:00
ときの忘れもの
東京都港区南青山3−3−3 青山CUBE 1F
12月7日(土)15時より作家を迎えてレセプション